Hyperswitch Prism
Hyperswitch Prism: 複数の決済プロバイダーを一つのコードで統合するステートレス・コネクタライブラリ
Hyperswitch Prismは、StripeやAdyenなどあらゆる決済プロバイダーを統合するためのステートレスなコネクタライブラリです。Juspay Hyperswitchから抽出されたこのライブラリは、統一されたリクエストスキーマを提供し、数行のコードで決済プロセッサの切り替えを可能にします。PCIスコープの縮小やマルチ言語SDK(Node.js, Python, Java, Rust)をサポートし、開発効率を劇的に向上させます。
2026-05-14
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Hyperswitch Prism 製品情報
Hyperswitch Prism: 決済プロバイダー統合を革新するステートレス・コネクタライブラリ
現代のデジタルビジネスにおいて、決済システムの構築は非常に複雑です。Hyperswitch Prismは、この複雑さを解消するために設計された、ステートレスで統一されたコネクタライブラリです。たった一度の統合で、世界中のあらゆる決済プロバイダー(Payment Processor)への接続を可能にし、ビジネスの柔軟性と拡張性を最大化します。
Hyperswitch Prism(プリズム)とは?
Hyperswitch Prismは、あらゆる決済プロバイダーと接続するためのステートレスな統一コネクタライブラリです。このライブラリは、世界中の主要なエンタープライズマーチャントに使用されているオープンソース決済プラットフォーム「Juspay Hyperswitch」での長年の運用実績に基づき、抽出・洗練されたものです。
決済プロバイダーの統合が困難な理由は、各社ごとに異なるAPI、多様なエラーコード、認証方法、そしてドキュメントと実際の挙動の乖離にあります。Hyperswitch Prismは、これらの差異を吸収し、軽量で「ロックインゼロ」な、開発者フレンドリーな決済統合ソリューションを提供します。
なぜ決済プロバイダーの統合が重要なのか?
決済プロセッサの統合における小さなミスや見落としは、決済を受け入れる企業にとって甚大な財務的影響を及ぼす可能性があります。これまで多くの企業が、長年かけて決済システムを反復修正し、そのノウハウを「企業の秘伝」として蓄積してきました。Hyperswitch Prismは、こうした専門知識をオープンソース化し、誰でも簡単に高度な決済多様性を活用できるようにしました。
「決済はデータベースドライバーよりも複雑なものではありません。単に業界標準が存在しないだけなのです。そして、標準が到来することもおそらくないでしょう。」
Hyperswitch Prismの主な特徴
Hyperswitch Prismは、決済エンジニアリングにおける複雑な課題を解決するために以下の特徴を備えています。
1. 統一されたリクエストスキーマ
すべての決済に対して、一つのリクエストスキーマを使用できます。例えば、同じauthorize(オーソリ)コールが、追加のコード変更なしにStripe、Adyen、その他多くのプロバイダーに対して機能します。
2. 完全にステートレスな設計
Hyperswitch Prismはデータベースを持たず、PII(個人を特定できる情報)を保存しません。認証情報はライブラリによって保存・ログ記録されず、HTTPクライアントの存続期間中のみ存在します。これにより、インフラの簡素化とセキュリティの向上が図れます。
3. PCIコンプライアンスのスコープ縮小
カードデータをライブラリに流すかどうかは、利用者の選択次第です。決済プロバイダーのカード情報保存(Vault)機能を使用することも、自前のPCI認定済みVaultを使用することも可能です。ライブラリ側でデータが保存されることはありません。
4. マルチ言語SDKのサポート
Hyperswitch Prismは、多様な開発環境に対応するために以下のSDKを提供しています:
- Node.js
- Python
- Java / Kotlin
- Rust
How to Use:導入と使用方法
ライブラリのインストール
お使いの開発言語に合わせてHyperswitch Prismをインストールしてください。
- Node.jsの場合:
npm install hyperswitch-prism - Pythonの場合:
pip install hyperswitch-prism - Java/Kotlinの場合:
pom.xmlに依存関係を追加します。
<dependency>
<groupId>io.hyperswitch</groupId>
<artifactId>prism</artifactId>
<version>0.0.4</version>
</dependency>
決済の実装(Node.jsの例)
以下のコードは、Hyperswitch Prismを使用してStripe経由で決済を承認(Authorize)する例です。
import { PaymentClient, types } from 'hyperswitch-prism';
let config = {
connectorConfig: {
stripe: { apiKey: { value: "sk_test_..." } }
}
}
const main = async () => {
let client = new PaymentClient(config);
let request = {
merchantTransactionId: "authorize_123",
amount: {
minorAmount: 1000, // $10.00
currency: types.Currency.USD,
},
captureMethod: types.CaptureMethod.AUTOMATIC,
paymentMethod: {
card: {
cardNumber: { value: "4111111111111111" },
cardExpMonth: { value: "12" },
cardExpYear: { value: "2050" },
cardCvc: { value: "123" },
cardHolderName: { value: "Test User" },
},
},
authType: types.AuthenticationType.NO_THREE_DS,
};
let response = await client.authorize(request);
if (response.status === types.PaymentStatus.CHARGED) {
console.log("決済成功");
}
}
Use Case:活用シーンと柔軟なルーティング
Hyperswitch Prismの真の利点は、ビジネスルールに基づいた決済プロバイダーの動的な切り替えにあります。わずか数行のコード変更で、通貨や地域に応じた最適なプロセッサを選択できます。
通貨によるルーティングの例
USDでの支払いはStripeを使用し、EURでの支払いはAdyenを使用するといったルールも、同じインターフェースで実現可能です。
// ルーティングルール: EUR -> Adyen, USD -> Stripe
const currency = types.Currency.USD;
const config = currency === types.Currency.EUR ? adyenConfig : stripeConfig;
const client = new PaymentClient(config);
// 同一のauthorizeコールを使用可能
このように、Hyperswitch Prismを使用することで、複雑なスマートルーティングやリトライロジックの構築が容易になります。
開発とAIアシスタントの活用
Hyperswitch Prismは、現代のAI駆動開発にも対応しています。AIアシスタント(ChatGPTやClaudeなど)を使用して開発する場合、以下のコマンドで最新のSDKリファレンスを取得し、AIに読み込ませることができます。
curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/juspay/hyperswitch-prism/main/llm/llm.txt
このファイルには、インストール方法、決済操作、エラーハンドリング、コネクタ構成の詳細が含まれており、AIによる効率的なコーディングをサポートします。
FAQ(よくある質問)
Q: Hyperswitch Prismでできないことは何ですか?
A: 現時点では、内蔵のVault(トークン化)サービス、リトライロジック、ルーティングエンジン自体は含まれていません。これらは上位レイヤーである「Juspay Hyperswitch」で提供される機能です。Prismは、純粋なデータ変換と接続を担うレイヤーです。
Q: どのような決済プロバイダーをサポートしていますか?
A: Stripe、Adyen、Braintree、Worldpay Vantiv、Rapyd、Sanlamなど、数多くのコネクタをサポートしています。コネクタごとにサポートされているフロー(オーソリ、キャプチャ、返金など)は異なります。
Q: PCI準拠に影響しますか?
A: Hyperswitch Prismはステートレスであり、データを保存しません。そのため、既存のPCI認定Vaultや各プロバイダーのVaultをそのまま利用でき、PCIコンプライアンスの管理を簡素化できます。
Q: 決済以外の機能(サブスクリプション等)はありますか?
A: 現在、Prismは決済(Payments)に特化していますが、将来的にはサブスクリプション、不正検知、税金、支払い(Payouts)などを含む「ステートレス・コマース・ライブラリ」へと進化することを目指しています。
Hyperswitch Prismを利用して、決済インフラの自由を手に入れましょう。詳細なドキュメントやコミュニティへの参加は、公式サイトをご覧ください。








